特許協力条約(PCT)・・弁理士試験の鬼門。試験も実務も軽く流そう

公開日:   最終更新日:2018/12/20

特許協力条約(PCT)は、複数の国において発明の権利化(特許)を簡易かつ経済的なものとするために、各国への出願手続きをまとめて行えるようにすることなどを内容にした条約です。
日本では1978年10月1日に効力を発生した条約で、実に約40年の歴史を持つ、外国出願においては既になくてはならない存在です。

実務上非常に重要な条約ですが、3級知的財産管理技能士が活躍できる場面はあまりありません。
翻訳なども含めて、特許事務所にほぼそのすべてを依頼することになりますので、試験のためと割り切って簡単に済ましましょう。

あくまで知財技能検定3級の「試験科目のひとつ」と考え軽く流す

基本テキストをお持ちの方は、テキストを軽く読めば試験は大丈夫でしょう。
ある程度の知的財産管理に関する実務経験や知識がある方で、「テキストを買わない」という方は、何もしなくても大丈夫でしょう。

  • 国際出願、国際調査、国際公開、国際予備審査、国内移行手続き、という流れ
  • パリルートとの比較、メリットとデメリット

このくらい知っておけば十分です。
もう少し詳しく知っておこう、などとは考えないことも大切です。

弁理士試験でも「鬼門」と呼ばれ、苦手とする方の多い科目です

特許協力条約は、国際出願に関する手続きなどが事細かく定められています。
単なる手続規定ですので、深く勉強したとしても「理解」にはつながりにくいのです。
なぜこんな規定があるのだろう、とか、この数字の意味は?などの考察も、意味をなさない部分も多いのです。

大筋を理解するには、基本テキストに書いてある内容だけで十分です。

PCTはパリ条約上で認められたもので、パリ条約同盟国しか締結できないし、パリ条約の規定に違反もできないことは覚えておこう

PCTはパリ条約第19条で認められた特別の取り決め(正式には「取極」と書きます)です。
この取り決めが認められるための前提として、「パリ条約の規定に抵触しない限り」と明記されていますので、パリ条約の規定に違反することはできません。
もちろん、パリ条約に基づく権利を制限されることもありません。

同じ理由で、PCTの締約国はパリ条約の同盟国に限られます。
パリ条約には現在、170を超える国が加盟しています、その9割近い150を超える国がPCTを締結しています。

PCTの正式名称も知っておいて損はない

PCTは略称であり、正式名称は Patent Cooperation Treaty といいます。

PCTで「国際特許」が取れると誤解している方がいることを、実務上知っておいた方がいいかも

「国際出願」という言葉の響きと、「複数の国に特許を出願したのと同様の効果がある」ということからか、複数の国で行使できるひとつの権利、「国際特許」が取れるという誤解があります。
残念ながら各国への「出願手続き」を一束にまとめただけで、ひとつの手続によって複数の国で特許を取得できるような強力な制度ではありません。

このため、国内移行手続きのためなどに現地代理人の手配も必要ですので、いつもPCTを利用している大企業や、手慣れた特許事務所など以外は、手に余る可能性のある制度です。

3級知的財産管理技能士は、特にPCTに関しては、「連絡役」に徹するべきだと考えます。


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