試験範囲4.デザイン保護といえば意匠法。重要科目ですが実務では?

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知的財産管理検定3級の試験範囲は、公式ホームページに記載されています。

知的財産管理技能検定ウェブサイト
http://www.kentei-info-ip-edu.org/

ホーム > 試験実施要領 と進み、「試験の科目・範囲」から「3級(管理業務)試験科目及びその範囲の細目」というPDFファイルを読むことができます。

「試験範囲4.デザイン保護」は、学科試験においては「デザイン保護に関し、初歩的な知識を有すること。」、実技試験では「デザイン保護に関し、業務上の課題を発見し、上司の指導の下で又は外部専門家等と連携して、その課題を解決することができること。」となっています。

この「デザイン保護」は、意匠権を中心とした保護のことです。

デザインを直訳すると「意匠」です。意匠法による保護を意図した試験科目ですが・・・

数ある知的財産関連法規の中で、残念ながら意匠法の重要性は低下の一歩をたどっています。
もともと意匠権は目に見えるデザインであるがゆえに、少し違えば別の意匠となることから権利として決して強いものではありませんでした。
それに加え、この意匠権は「量産できる工業デザイン」を保護するものですが、工業デザイン自体の重要性が下がってきているため、なおさらなのです。

意匠法の保護対象を工業デザインに限定せずにもっと広げたらどうか、という意見もあるようですが・・・。

工業デザインの保護が重要視される時代は終わった?

工業デザインが重要なのは確かですが、その中身はすっかり変わってしまいました。
昔の工業デザインは、求められる機能を保ちながらの独創的デザインが求められてきました。
必要な部品や構造をどのように納めるか、どこを妥協するか、技術部門とデザイン部門、はたまた営業部門をも巻き込んで、激しいバトルが繰り広げられました。
しかし、時代は変わりました。
加工技術の進歩でどんな形状でも量産が可能となり、機械や電気部品は小さな電子部品に置き換えられ、機械部品自体の小型化が実現しました。
今や、デザイン部門で描かれたものが、そのまま量産できるようになりました。

・アニメに出てくる車が、そのまま作れてしまいます
・球形の家電製品やロボット型の電話機など、昔の人は想像し得たでしょうか

それに加えて、製品のライフサイクルが極端に短くなってきたのが致命的です。
設定登録日から20年間という意匠権の存続期間、そんなに売れ続ける製品がはたしていくつあるでしょうか。

実務上のデザイン保護は、不正競争防止法と著作権法で

そんな時代背景の中、工業製品の模倣品に対しては不正競争防止法によって対抗することが多くなってきました。
また工業デザインは、もちろん著作権法での保護対象でもあります。
著作権法でいう「美術の著作物」には、「美術工芸品」を含むとされています。

実務上は、わざわざ時間とお金をかけて意匠登録しなくても、不正競争防止法と著作権法で十分という見方もあるくらいです。

それでも3級知財技能検定試験では重要科目。得点しやすいのでしっかりと

実際の試験で意匠法の問題は、特許法、商標法、著作権法という重要3法に次いで多く出題されます。
しかも意匠法という法律は、形あるものを保護することから知的財産法の中でも理解しやすく、後から追加された制度も少ない素直な体系になっています。
その上、試験問題としても答えの判断がつきやすい、素直なものが多い印象です。

実務上はともかく、試験の上ではポイントになる科目です。


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