知的財産は組織で守る時代。志願者減少の弁理士よりも3級知財技能士

公開日:   最終更新日:2019/08/10

ひと昔前、企業が関心を持つ知的財産と言えば、特許、実用新案、意匠、商標などの工業所有権と呼ばれるものが中心でした。
著作権はというと、音楽や出版などの限られた業界のものだと思われていました。
このような時代背景の中、各企業は、知的財産管理を社外の特許事務所に依頼するのが通常であり、特許事務所を開いている業務独占資格である「弁理士」は、知的財産業界あこがれの難関資格でした。

ところが最近では、弁理士試験に合格しても自らは特許事務所を開かず企業に勤務し、登録すらしない方が増えています。
以前は企業に勤務していても、企業内弁理士として登録されている方が大半だったのにもかかわらず、近年、登録すらしない方が増え続けているのは、登録料や会費を負担しない企業が増えているからだと言われています。

企業に所属して出願などの知的財産を扱う業務を行う場合は、弁理士資格は必要ありません。
弁理士試験合格者も、弁理士に登録している方も、無資格の知財部員と行える業務内容は同じなのです。

知的財産を個人で管理できた時代、「目に見える発明の時代」は終わった

その昔、といってもほんの30年くらい前までは、「弁理士は紙と鉛筆さえあれば独立開業できる資格」と呼ばれていました。
発明者から発明内容を聞き取り、明細書などの出願書類を作り、和文タイプと図面を外注して出願を代行し、その後の権利を管理する、それで十分に食べていけました。
機械や電気を物を組み合わせた、目に見える「新しい技術」がどんどん生まれていった時代です。
町の発明家や、アイディア主婦などが「思い付きを権利化して一攫千金」を狙えた時代もありました。

その後「目に見える技術」は開発しつくされ、今や発明は「巨大企業や団体が莫大な費用と人員をかけて研究室から生み出されるもの」になってしまいました。
複雑な化学記号を持つ新薬や、特別な製法で生み出される新素材など、一般市民には理解しがたい遠いものになりました。

こうして生み出された知的財産、管理するのにも何十人もの人が携わります。
知的財産管理を一個人で行える時代も終わりました。

パソコンやスマホなどの普及で著作物のコピーが氾濫。加えて1億総カメラマンの時代。知的財産の中心は著作権へ

そうして特許技術が個人の手から離れてしまった今、企業の知的財産管理の中心も変わってきました。
ご存知のように、「著作権を中心とした知的財産管理業務」の登場です。

イラストが描けば著作権はもちろん登録商標との類似などを気にしなければならなくなり、また、新商品を生み出そうとすれば、著作権、意匠権、不正競争防止法など、気を付けなければならないことは山積みです。
個人や町工場が特許を受けることは難しくなりましたが、他人の権利を侵害しないことには注意しなければなりません。

余談ですが、いいアイディアが浮かんで「これは特許が取れるかも」と考えたことのある方は、一度「特許情報プラットフォーム」を検索してみるといいでしょう。
「こんな細かいものまで出願されているのか」と、きっと驚かれることでしょう。

いずれにしても各企業では、知的財産に関する基礎知識を備えた社員の育成が急務です。
ここでいよいよ、知的財産管理技能士の出番です。

弁理士は必要とされる1万人を超えたが、知的財産管理技能士は全然足りていない

今年度の弁理士試験の結果を見て、合格者の少なさに驚いてしまいました。
平成29年度は、約4千人が受験して合格者が255人しかいませんでした。
これは受験者数でピーク時の半分以下、合格者にいたっては1/3以下の数字です。
これは、知財立国を目指すための国の政策であった「弁理士1万人確保」という目標が、すでに達成されたからだと言われています。
もちろん弁理士試験に合格しても全員が登録するわけではないですし、前述のとおり、近年は登録しない方も増えています。
業務独占資格である専門家、弁理士の人数は、すでに必要数に達したということです。

それに比べ、主に企業で働く知的財産管理技能士の人数は全然足りていないと感じています。
本来なら1社にひとりは最低欲しいところですが、その人数は、日本にたくさんある会社や団体、事業者数に比べて全然足りないのです。
もちろん弁理士もいいのですが、とりあえず知財技能検定を受けてみませんか?

もちろん最初は3級からで十分です。
>> 取りやすい3級だけでも十分です。単なる初級資格などではありません


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